凜々フルーツ/アカシック
メジャーに移籍。初のフルアルバム。
インディー時代に比べるとずいぶんポップになった、丸くなった、毒気が薄まった、と思ってしまうのは、ジャケの印象だけではありますまい。
売れてやろうっていう色気が強く感じられるのは頼もしいけれども、これまでの理姫の強烈なやさぐれビッチ感を愛する立場からすると、やや残念な気もする。
が、じっくり聴いてみると、理姫の詞も含めて、曲自体はさほど変わっているわけではなくて、ポップ化した印象が強いのはアレンジの力が大きいということがわかってきます。
外部のアレンジャーとして釣俊輔も入っているけれども、奥脇くんの能力も相当大きいと思われ。
イントロだけ聴いてたら、aikoかいきものがかりかと思うような曲もある。
すぐにでも蔦谷好位置くらいの仕事ができるんじゃないかとさえ思ってしまいます。
若いのに随所に遊び心もあって、感心しきり。
インディー時代みたいなトンガッたオルタナ・ロック風味がもっとあると個人的には嬉しいんだけれども、それでも「8ミリフィルム」とかはやっぱ名曲。
地味だけど「飴と日傘」や「うたかたの日々」「ロリータ」みたいな曲にも才気を感じます。
アルバム最後「夢遊」のギターソロとか聴いてると、奥脇くんは60~70年代のロック・クラシックスもちゃんと引き出しに入ってるなーと。