うるう日記

日々の音楽、ときどきオーディオ、楽器。 4年で1000枚のアーカイヴを目指します……

THE ELEPHANT KASHIMASHI BEST エレファントカシマシ・ベスト

録画しておいた紅白で初出場のエレカシを見て、いろいろ思い出すことがあった。

宮本浩次は近頃テレビでその極めて特異なキャラが改めていじられるようになりつつあるようだけれども、彼は正真正銘ホンモノの変人、奇人であって、若い頃はもっと深刻にアブナイ感じの人だった。

 

80年代、メジャーデビューのときのお披露目ライヴが、今はなき日清パワーステーションであって、面白いバンドが出てきたから見とけ的なことを言われて観に行った。

ミヤジのキャラは強烈で、客が歓声を上げると、睨みつけながら「お友達じゃねえんだぞ、こら」とか毒づいてた。

そしてバンドは演奏が下手でした。

 

当時はバンドブームで、レコード会社はどこも売り物になるボーカリストを探していた。

楽器が弾けるプレイヤーはたくさんいるんだけれども、ボーカルは歌がうまいだけでは売り物にならなくて、カリスマがなくてはいけない。

ミヤジには誰もが注目したに違いない。

 

うろ覚えのまま不正確なことを書くかもしれないけど、レコード会社は宮本とのソロ契約を希望していたとかいう話を当時聞いたように思う。

でもミヤジは、バンドでの契約でなければ応じないと突っぱねて、最終的にエピックがそれを飲んだ、とか……。そういう話だったと思う。違ったらすんません。

 

そこから売れるまで長かったけれども、自分がエレカシを聴いたのはその最初期だけ。

基本的にあんまり興味はない。

のだけれども、今回、ものすごーく久しぶりにこのエピック時代の、つまり、期待されながら全く売れなくて挙句に契約を切られた時代のベストを聴いてみたら、思いのほかグッと来るものがあった。

「ファイティングマン」とか「星の砂」とか、すげえ変な曲なのに、いい曲。

 

それにしても、紅白で見たエレカシは、相変わらず演奏が下手だった(笑)。

 

前々から思っているんだけども、エレカシを見てると、ニール・ヤングとクレイジー・ホースを思い出す。

エレカシも、クレイジー・ホースも、何十年も同じメンバーでやってるのに、ちっとも上手くならない。

普通はこれだけ長くやってたら、それほど練習しなくてももうちょっとはうまくなると思う。

それがならない。

簡単なことしかやってないのに、全員が初心者のように余裕なく一生懸命演奏しているように見える。

それでいて、か、だからこそ、か、何か鬼気迫るような、不気味なテンションがある。

 

もひとつ思い出した。

デビュー当初、エピック社内ではエレファントカシマシは、「カシマシ」と略されて呼ばれていたんだけれども、某RO誌が誌上で勝手に「エレカシ」と略したらそっちが定着して現在に至る、という話。

当時はそれだけ音楽誌の影響力が大きかったんですな。

 

Day Breaks / Norah Jones  デイ・ブレイクス/ノラ・ジョーンズ

デビューの頃に戻ったような、ぱっと聴いたところ原点回帰のような雰囲気だけれども、確実に深みが増してます。

ウェイン・ショーターはじめ一流ジャズメンを起用しながらも、そっちに振れすぎない、この絶妙なバランスのプロダクションが見事なんでしょう。

ジャンルの定義が難しい、しかしアメリカ音楽のいいとこばっかり集めたような名盤。

 

Careless / Stephen Bishop ケアレス/スティーブン・ビショップ

更新をサボっている間に年が明けてしまいました。

おめでとうございます。

 

今年最初に聴いたアルバムはこれ。

理由はゼロでただ何となく。

 

自分の中では「夏にエアコンがよく効いた部屋で聴くアルバム」という決め事があったのだけれども、冷え込んだ日にストーブで暖まった部屋で聴いても、年末年始で荒れた胃に優しい名盤であるということがよくわかりました。

 

U/三浦大知

三浦大知の「U」がモロに大好物パターンで好き過ぎてふるえる。

 

ハンドルを放す前に/OGRE YOU ASSHOLE

どう聴いていいのかわからないくらい斬新で独特すぎるんだけれども、自分としてはフィッシュマンズの系譜の脱力系ヒーリング・ポップとして聴きました。

音数少なく引き出しの多いアレンジとヘタウマ系ボーカルが気持ちよすぎ。

言葉のセンスも見事。

秋の夜長のヘビーローテーションとなりました。

 

ミカヅキの航海/さユり

自作の「ミカヅキ」や野田洋次郎提供の「フラレガイガール」などは文句なしにいい曲なんだけども、手放しに楽しみきれないのは、やはりこの全編に漂うイマドキ風ほろ病み感と言うか、アニオタ的閉鎖空間感のせいでしょうか(笑)。

バンド・サウンドなんだけれども、おそらくナマのバンド経験はないのではないかと思われるようないくぶん不自然なアレンジや、よくない意味での箱庭感も気になります。

が、曲自体はそういう不満を補って余りあるよさがあります。

酸欠少女っていうコピーも好き(笑)。

 

音楽の進化史/ハワード・グッドール

読了。

西洋音楽の歴史を、古代から20世紀まで俯瞰的に解説した良書。

学者は専門領域が細分化されすぎててこういう大胆な本はなかなか書けないし、逆に専門家以外でこうした広範な見識を持った人はそうそういない。

特に日本ではこういう本は成立しにくいんじゃなかろうか。

 

以前Eテレで観た「スコラ」のシリーズで坂本龍一岡田暁生が言ってた話とちょっと違うなあ、とかも思ったり。

 

 個人的には、バロックの後から19世紀くらいまでの、機能和声が成立してから多様に展開していくあたりの流れがかなり整理できてすっきりした。

 

図書館で借りて読んだけれども、買って手元に置いておきたい。