The Touch of Your Lips / Chet Baker
チェット・ベイカーの代表作と言えば、若くて男前だった50年代のものばかりがあげられるのが普通であって、シワシワのジャンキーになってしまった70~80年代の作品がこんなにもすごいなんていうことは全然知らなかった。
若い頃と比べても遜色ない、どころか、ずっと深みを増している印象。
これまでチェット・ベイカーと言うと「Chet Baker Sings」が好きでそればかり聴いてたんだけども、こっちの方がずっといい。
このアルバムはギター、ベースとのトリオで、ギターのダグ・レイニーがこれまた素晴らしい演奏。
もはや仙人のような、武芸の達人のようなチェット・ベイカーの歌いっぷりがたまらなくよくて、「But Not for Me」「The Touch of Your Lips」の2曲は至高の出来です。
トランペットもマイクに密着してるような録音で、まるで静かに歌ってるみたいな演奏が生々しく録れている。
こういうのにしびれるのは自分が年をとったからなのか。